隣席総勢大泣きの映画館は久しぶりに経験しました。なんでこんなにウルウルくるんだろう。人生は最高のドラマだから?
『クライング・フィスト』公式サイトクライング・フィスト=泣く拳。ストーリーは実にシンプルです。
かつてアジア大会で銀メダルを獲った人気ボクサーだったものの、人にだまされ妻からも別れを告げられ、路上で「殴られ屋」として生計を立てるカン・テシクと、悪行三昧で少年院に入れられたユ・サンファン。そんなふたりが荒んだ生活の中で、ひとりは自らの誇りと家族の絆を取り戻すために、またひとりは初めて何かに打ち込むことの素晴らしさを知り自らの存在証明のために、ボクシング新人王戦に出場する。そして決勝で相まみえるふたり・・・。ひとことでいうとそんなストーリーです。
※主人公ふたりとも実在の人物をモデルにしているというのがまた驚きです。新宿歌舞伎町の
“殴られ屋”(=晴留屋明さん)の本
は以前読んだことがありますが、かなり壮絶です・・・↓
ある種斬新なのが、主人公ふたりは途中全く交わることがないという点です。最後の山場である新人王戦決勝までふたりは全く交わることがなく、ひたすら拳を交え最後に身体が交差する以外は、とうとう何の言葉を交わすこともない。
ふたりの人生を感情を淡々と描くことに徹したことで、
最後のボクシングシーンは、観客の頭の中でふくれあがった想像や想いがグサグサと交差し、感情が溢れます。ああ、もうダメです。涙腺が・・・(以下略)
この映画の紹介については、ネタバレとかそういう心配はあまりない気がしています。
拳を交え続けるふたりを観ていると、感情が溢れるのをおさえることができませんから。あらすじをパンフレット等で読むと「どこが感動するの?」という印象を受けるかもしれませんが、
生き様に心打たれるってこういうことなのではないかと思いました。
(ちなみに最後の対決シーンは、解説によると「段取りなし、どちらが倒されるか本人たちもわからない真剣勝負」で撮影したんだとか。)
言葉にできない感情・生き様を見せ付けられて魂を揺さぶられ、
隣席の見知らぬ大勢の観客と感情を共有するということは、映画にしかできないエンタテイメントであることを体感させられました。DVDでひとり観ていては味わえない醍醐味ですね~
そういえばこの映画の主人公ふたりも、リングの上でだけ感情を含めた人生の一瞬を共有するわけで、その意味では今日の試写会の観客と僕の関係に近いのかもしれないなと思ったりしました。
【今日の学び】
生き様を伝えるのに言葉はいらない。人生を共有する「一瞬」の機会を持つことは対価を払うに値する(⇒それはビジネスチャンスたりうるかもしれない)※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!以前『殴られ屋』を読んだ話は上にご紹介しましたが、この映画をきっかけに調べてみると
最近「殴られ屋のその後」についてのご本人の著書があることがわかりました。驚き!これはチェックしとかねば。。。
『明日こそハレルヤ!』(晴留屋明著)
印税は全額借金返済に充てるんだとか。でもこの借金ってご自身が経営されていた会社の社員の肩代わりだったんだそうですね。また泣かせる話ですが、そんな中で明るく生きる彼には凄みを感じます。