エリエス・ブック・コンサルティングの土井英司さん主催の『スパルタ読書塾』に参加してきました。今回で第3回目。年末のせわしない中ということもあり、今回は出席者が20名近くとやや少なかったですが、
回を重ねて進行や議論のまとめ方もレベルが上がってきた感があり、なかなか充実したひとときを楽しむとともに、たくさんの学びがありました。
僕は
1回目、
2回目と続けて参加しており、このブログでも紹介しているのですが、
今回は今まで最も“
濃ゆ~い”会でした。といってもアキバ系とかそういうことではなく、課題図書とテーマが実に濃かったわけです。ずばりそのテーマとは「
愛」。
今回の課題図書はエーリッヒ・フロムの『愛するということ』。フロムはいわゆる「新フロイト派」と称される、社会学的視野を加えた精神分析学のオーソリティです。名前は聞いたことがありましたが、著作を読むのは初めて。土井さん曰く「
今回はレジュメで内容を全て網羅できなかった」ほどの内容の濃い一冊です。
愛は技術である、という(ともすれば誤解されそうなほど大胆な)主張をベースに、孤立という不安の源を克服するための人間の行動や愛の種類/発達段階に関する解説は、
まさに人間の本質に言及している感があり、読んでいて背筋がぞくぞくするのがよくわかりました。土井さんの解説を受けて行われた参加者によるグループワークもあわせて、学びはたくさんありましたが、特に印象に残ったところを差し支えない範囲で書きたいと思います。
●
愛は何よりも与えることであり、もらうことではない 非生産的性格の人(←与えると貧しくなるから嫌)
<商人的性格の人(←見返りのあるときだけ喜んで与える)
<生産的性格の人(←与えることは自分の持てる力のもっとも高度な表現)
⇒
愛は人間の中にある「能動的な」力である⇒あらゆる形の愛に共通して見られる基本要素において、その能動的性質が垣間見られる。一例として「愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない」。
●現代社会では
「交換」を前提とした愛が当然のように受け入れられている。
物質的なものだけではなく精神的なものまでも、交換と消費の対象に
⇒「交換」の考え方は、私たちの価値観に多大な影響を及ぼしている。
例えば、
(1)人材市場ニーズを見て自分のやりたいことを決める
⇒
自己実現が市場に依存してしまう危険(2)「専門家しか生き残っていけない」「分業が正しいやり方」幻想
⇒本当に自給自足できないのかという
自らへの問いかけを放棄してしまう危険
セミナー最後には「
資本主義の原理と愛の原理とは両立できるのか?」という実に遠大かつ根本的な命題について議論が行われました。もちろん絶対といえる結論には至りませんでしたが、
人を構成しているのは物質と精神の両輪であるというベースの部分と
資本主義社会における価値観のせめぎあいが起こっているのではないか、という議論は、今後(自分が、そして周りの人が)
人として愛に満ちた生活を社会の中で送っていくうえで、大いなるヒントを与えてくれたような気がしています。・・・あとはセミナー参加者だけの共有財産ということで。。。
いやはや、
濃かったです。まだ十分に自分の中で消化できたと言い切れないような気もしていますが、生きるヒントを得るためには、時には深くこういったテーマについて考える時間が必要なんだなと改めて思いました。
そして、それを得るヒントを与えてくれる読書ってやつは、やっぱり素敵だな~と。
【今日の学び】
愛は能動的なもの。「物質の交換」に基づく経済的価値観に犯されることなく、主体的に与えるという軸を自ら持つことによって自己実現に一歩近づくことができる。※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!・・・さて、最後にひとつご紹介を。僕は決断に際しては、それなりにいろいろ情報を集めたりするようにしているのですが、今年は本だけでなく、メールマガジンに背中を押してもらうシーンが本当に多かったです。例えば「ブログで情報発信する」ことひとつをとっても、ITに決して強いとは言えない僕のなかでは抵抗感があったのですが、いざ始めてみると・・・そりゃしんどいこともありますが、楽しいことの方が百倍千倍多いのです!
そんな僕の背中を押してくれたメルマガ『エンジニアがビジネス書を斬る!』【通称:エンビジ】をご紹介したいと思います。その名の通り、エンジニアの“まるるちゃん”さんがビジネス書をネタに学びを語っているのですが、視点に付加価値がついているというか。誤解を恐れずに書くと「ロジカルに、さくっと、かつ前向きに」な感じ?
「うーん、そもそもこれの位置付けは●●だからして・・・」みたいな人が僕の身の回りには多いので、危うくそんな毒気にあてられかけていたのかもしれません。書評も味わえますし一挙両得、ということで学びを求めていらっしゃる方は登録されてみては?(もちろんメルマガなのでタダですよ;)
『エンジニアがビジネス書を斬る!』