エリエス・ブック・コンサルティング(土井英司さん)主催
『スパルタ読書塾』の第7回セミナーに参加してきました。
僕は第1回からずっと出席していまして、その模様はこのブログでもご紹介しています。(⇒記事は
こちら)前回に引き続き、全部で20名足らずとやや人数は少なかったのですが、そのぶん回転が速くて妙に緊張感があり、これはこれでなかなか面白かったです。
今回のテーマは
「危機管理」。・・・
地味~という感じがします。実際、危機管理に関する本は大抵の場合売れないそうですが、逆に言えばこれは
日本人の「危機」に対する意識の低さをあらわしているわけです。
そんな中で
「危機管理」という切り口を通じて、日々の組織/個人の行動を振返り整理していこうという今回のお話は、学ぶべき点がたくさん含まれていました。いまブログを書いていて、
ジワジワと効いてくる感じがすごくしています。
今回の課題図書は『危機管理のノウハウ』(佐々淳行著)。
『危機管理のノウハウ』(佐々淳行著)
20年近く前に出版された一冊ですが、佐々さんの原稿を松下幸之助氏が声をかけて本にしたものだそうで、超ロングセラーになっています。ちなみにヨネックス米山会長もご推薦だとか。
最近出版された
『パイロットが空から学んだ危機管理術』(坂井優基著)
と比較する形で概要紹介がありました。『パイロット~』が現場でおさえておくべき話とすれば、本書は
リーダーがおさえるべき話を取り上げています。両方が共通して指摘しているポイントとして
「危機管理は日常から」「悪い情報を持ってきた人間を絶対に叱るな」といった点があげられていました。
『危機管理のノウハウ』の冒頭に先日亡くなったガルブレイズの言葉が紹介されています。「偉大な指導者には、皆一つの共通の特色がある。
すなわちその時代の国民の主要な不安に対し、真正面から対決する気構えにほかならない。これが、そしてこれこそが指導力の本質なのだ」。
・・・リーダーの心得は“
現代の空気を肌で感じ向かい合う”ことだと。
リーダーの姿としてパッと思い浮かぶのは、危機において先頭に立って奮迅の活躍をするシーンであるという方も少なくないと思いますが、
日常から時代の空気をしっかりとおさえ対峙する心構えを持つということこそが重要というメッセージはなかなか重いですね。
※リーダーたる者は本をどんどん読め、という教えは「(時代に受け入れられている本を読み)時流をおさえよ」ということなのかもしれませんね。深い・・・
また、今回はグループワークとして、“とんでもない事件”の報告を上司にする・上司の立場に立ってその報告をユーモアで切り返すといったスキットを演じました。
自分の演技力のなさには寒くなりましたが(大汗)、土井さんの講評を聞いてナルホドと肌で感じたのは、
頭の中に5W1Hのフレームワークを入れておくことで話の流れをいたずらに変えることなく重要な情報収集が可能だということです。
僕のような素人はついつい質問票を順番に埋めるようなプロセスを踏んでしまいがちなのですが、
自らの頭の中を普段から整理することで、一見雑談と思しき会話からでも自分にとって必要な作業をスムーズに進めることができると。
いや~、言われてみれば当然なんですが、
「体感」できたのはちょっと嬉しかったですね。他の参加者の前で演じた恥ずかしさとセットであるがゆえに、たぶんこれは忘れそうにありません。
以下、特に印象に残ったお話を、差し障りないレベルでご紹介したいと思います。
●
「アキレス腱」を読み解くことを意識せよ
→そのためには
認識対象について考えうるケースのカテゴライズが有効
(例:「自宅の危機管理」と言われてもピンとこないが、事例を具体的に考え、緊急度やコントロール可否等の要素でカテゴライズすることで優先順位が明確になり、初めて打ち手を考えることができる)
●"Need to know"の原則
・知る必要のある人にのみ情報は知らせる
←
知る必要のない人は情報の価値を理解していないゆえ漏洩リスクが大きい●原則化の効用
・ミスをなくすためには
「原則化」が必要。
・チェックリストを用意する等の対処によってミスの原因たる「人間の判断」を排除する
⇒ハッカーの達人はプログラムではなく人間を狙う。
プログラムはミスをしないが人間はミスをするから。
※このトピックに関連して土井さんが強く勧めていらっしゃった参考書がこちら。確かにこれは面白そう!読んでみようっと。
『欺術(ぎじゅつ)』(ケビン・ミトニック著)
●危機管理における心得(抜粋)
・長期に亘る危機管理に際して最も恐ろしい敵は累積された疲労。ゆえに人事管理上必要な施策は「休養と補給」である。
・ユーモアを巧みに使うことで不安に怯える人々に正常心を取り戻し、指導者への信頼を高める効果が期待できる・・・
“ユーモアは人を動かす”【今日の学び】
危機管理は、情報収集のためのフレームワークを頭に入れて感度を高め、かつ時流を読みそれに立ち向かうという心構えを平常から持ち続けることでこそ可能になる。※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!『危機管理のノウハウ』(佐々淳行著)
さて、この『スパルタ読書塾』、僕は結局1回目から毎回参加してきたのですが、今後運営のやり方等を見直すとのことです。
懇親会でも皆さんと話していて感じたのですが、せっかくこのような意識の高い人が集まるコミュニティができてきたので、何となく消滅してしまうような事態にはならないようにしていきたいと思いますね。
mixiを通じた課題への取り組み等行っていく予定だそうですが、個人的には一回以前やった番外編(⇒紹介記事は
こちら)をまた打ち上げてみるのもいいかもしれないな~、なんて。