「量より質」の価値観が大人の証。もうひとつは自分スタイルへのこだわりかな。
ちなみに買ったきっかけは、前回紹介した高城さんの著書と同じく、土井英司さん@前回のスパルタ読書塾です。
本書がレビュー大賞第2位でした。
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『LEONの秘密と舞台裏』(岸田一郎著)装丁だけ見ると、生理的に拒絶してしまう類の本(失礼;)なのですが、「推薦者の“人”を信じて」購入・・・して大正解でした。
鬼門といわれたメンズ誌で「モテるオヤジの作り方」をコンセプトに圧倒的な強さを誇る雑誌『LEON』の編集長が、雑誌づくりを中心に流行や文化について語る一冊です。
岸田さんはときどきテレビなどでも拝見しますね。以前『情熱大陸』で
「そんなんじゃモテないんだよっ!」とか怒鳴っていた映像が記憶に残っています。。。
そんなキッツいイメージが先行していた私ですが、本書のメッセージはきわめてわかりやすく、また実に示唆に富んでいました。
印象に残ったのは2点。
(1)量より質。(2)本音に響く「スタイル」提案。(1)岸田さんは断言します。
「ライフスタイル誌が成功するか失敗するかは、結局のところ
人々の消費動向にどれほどの影響力を発揮できるか、という一点にかかっている」
雑誌の成功というと「たくさんの人に買って/読んでもらうこと」と定義してしまいがちですが、それは違うと。
岸田さんは『LEON』発刊に際し、
大部数は追求しないが読者の質は大切にすることを明言しました。
ここでいう
「質」とは読者の購買力と購買意欲。たとえ数は少なくても、購買力が高い読者であれば、購買力が少ない読者をたくさん抱えている雑誌よりも市場への影響力は大きくなるというロジックですね。
(2)従来のライフスタイル誌では「アメリカントラッドとは」「腕時計とは」のような「●●とは」の記事が主流でした。
しかし岸田さんは考えました。
読者が本当に望んでいることは何なのかと。
その結果
「新たなスタイルを築くことで他人と差別化できる」快感にあるのではないか、という結論にたどり着き、単にモノを説明するだけではなく、「そのモノを使って△△することでまわりと違う自分が演出でき、モテますよ」といった提案を行い、多くの人の支持を得たのです(もちろんある程度の品格は保ちつつ)。
どんなアクティビティにも「道」を究めんとしている人はたくさんいるでしょう。それはそれでまったく正しいことなのですが、我々ライフスタイル誌の作り手が対象としうるのは、あくまで一般の人々、つまりはミーハーで移り気な「浮動票」なのですそもそも要するに何がしたいのか?・・・を真摯に(かつ具体的に)問うていくと、このような切り口が見出せるのかもしれませんね。マーケ観点からだけでなく、ビジネス発想全般に関して学びがある大当たりの一冊でした。
こいつはお勧め!
※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!『LEONの秘密と舞台裏』(岸田一郎著)岸田さんは、8月14日付で主婦と生活社を退社したそうですね。
スタッフの引き抜き騒ぎなんかもあったと報じられていますが、せっかくこれだけの発想もできる人。世のため人のためにその力を活用していただきたいものです。
あと、チョッピリ気になったのがこのくだり。
“作り手の「自己表現度」といったものが高いほど、読者はかえって少なくなる”・・・これってブログにも言えたりして??(惑)
『LEON×NIKITA トキメキレストラン&バー』↑善悪はともかく“スタイルを提案する”という意味で楽しめるLEON本としては、こちらもトキメくかも(汗)★僕は読むだけで十二分に面白かったです!
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