言葉に命が宿るのです。
『すごい考え方』(ハワード・ゴールドマン著)
マネジメント・コーチとして名高いハワード・ゴールドマン氏の代表作です。
使う言葉を変えることで自分の「考え方」のレベルを高める、というのが本書のコンセプトになっています。
“「すごい考え方」をインストールする”という文句がなかなか心惹かれますね。私たちにとって考え方とは、パソコンでいうところのOSに相当するというイメージがすっと頭に入ってきます。
経営にせよマーケティングにせよ財務にせよ、
どんなソフトを使うにも、OSが優れていないと新たな価値は生み出せませんから。
『すごい会議』(大橋禅太郎著)
ゴールドマンの手法は、日本では大橋禅太郎氏がこの1冊(↑)で紹介していますが、本書は
ワークシート雛型なども含まれており、より実践的な内容になっています。
言葉を変える→マインドが変わる→行動が変わる→成果が出る→世界が変わる。こういう図式を活用した手法(私は「言霊系」と勝手に呼んでいます;汗)は、最近非常に良く見ますね。極端に言えば、成功哲学系の本は大半がこのサイクルを何らか利用しているとも考えられるわけで。
【参考記事です】
『思考は現実化する』@成功本との付き合い方。実際、
私はこの図式はとても有効だと感じています。また、実際に成果も出ていると実感しています。
最近は「大脳じゃなくて内臓だ」という本も売れているようですが、あれも結局は「マインド」という言葉を「肝」と言い換えた話であると受け取っています(大胆?)。
そんな有効なアプローチを、いかにビジネスシーンで現実化していくかを語ってくれたわけですから、
ためにならないわけがありません。
例えば、
著者は「未来語」を多用するよう説きます。「現在語」は、固定された視点から対象を捉えており、いったん本人が行った解釈以外の可能性がなかなか見えなくなってしまうというのです。
ひとつやってみると・・・
(現在語)この部屋は大きい。うーむ。まあ、意味はもちろんわかりますが、それ以上でもそれ以下でもないですね。これ以上、発展のしようがないというか。「ああ、そうですか」で会話が止まってしまいそうです。
(未来語)この部屋は●平米あるので、そのうち1/3を応接スペースにして、残りの2/3をプロジェクトの集中作業室にしよう。ほいほい。「いや、それならばもうひとつ区切りを入れて打合せ室にしてはどうか」といった反応がすぐに頭に浮かびますね。
おまけに、プロジェクトにはどのような作業が必要かといった具体的・生産的な議論もここから広がっていきそうです。
こんな例ひとつとってみても、
言葉の時制を意識して変えるだけで、その先に広がる世界がずいぶんと変わってくることがわかります。
言われてみると当たり前かもしれないけれど、自分ひとりではなかなか気付かないエンジンの点火薬として、本書は使い道が広そうです。
これは会社の同僚・上司に読ませたい一冊ですね。まとめ買いしちゃおうかな。いや、本当に。
以下、その他印象に残ったフレーズなど記しておきます。
●「すごいOS」の持ち主は、ビジョンや戦略を達成するための
経験やリソースを現在、持ち合わせていなくても気にしない。まずは、自分の目指すことを本気で思うことであり、これが新しいことを始めるときに必要なエンジンとなる
●問題点や心配事を紙に
「書き出す」と、それらを客観的に見ることができる。
客観的に距離をもって観察できると、その対象に対して人は力を持つようになる●自らの「責任」について言及する
→
個人が世界の「結果」になっていたのが、
世界の「原因」となっていく→目標を達成する可能性や働くことの満足度が高まっていく
●「解釈」と「実際に起きたこと」を区別する
→思い込みを排除することで道は開けることが多い
●周囲のサポートを得るためには、
まず自分が何をやりたいのかを公表することが必要←人は前向きな目標に何らかの貢献をしたい生き物
●実は何も問題がないように見える時にコーチングを行うと、その効果を最大限に引き出すことができる
←困った時=目前の具体的なニーズがある時は、その場しのぎの解決策しか得ることができず、得られるスキルが大きくない
※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!『すごい考え方』(ハワード・ゴールドマン著)
『すごい会議』(大橋禅太郎著)
昨日、初めてTOEFL受験してきました。4時間半、英語と格闘してグッタリ。
あ~、手元の「次に読む本」在庫が増えるばかりです(汗)。
1年後には原書をすいすい読んでいて、第2の『すごい考え方』を日本に紹介する!・・・とりあえず、未来語にしてみた次第(恥)。