実はワタクシ、大の将棋ファンだったりします。
大学の4年間将棋部でして、今でもよく指しています。
最近では、プロ棋士の方と知り合いになる機会も持つようになり、専門誌も毎号目を通しています。
今週号の『週刊将棋』という専門誌で
「タイトルホルダーの本棚」と称して、トップ棋士のお勧め本特集が組まれていました。意表のラインアップでなかなか面白かったので、今日はその一部分をご紹介したいと思います。
(1)羽生善治 王位・王座・王将いわずとしれた羽生さん。
最近は伊東美咲と缶コーヒーのCMにも登場していますね~
名実ともに将棋界のナンバーワンといえるでしょう。現在三冠王。
そんな羽生さんのお勧め本はこちら。
『フラット化する世界』(トーマス・フリードマン著)
おお!何が飛び出すかと思ったら、また硬派な(汗)。
羽生さんは、
実は何気に何冊か出版しており、好著も結構あります。最近では『決断力』がベストセラー上位に名を連ねていましたね。
【参考記事】
棋は対話なり~羽生善治『決断力』ご存知の方も多いと思いますが、梅田望夫さんとも親交が深く
、『ウェブ進化論』の帯への推薦文も羽生さんが書かれているのです。
【参考記事】
『ウェブ進化論』@素直に波に乗ってハッピー。曰く、「人、世界、社会といったテーマに関心がある」とのこと。
将棋のプロ棋士の方は、
誤解を恐れずに言えば世間知らずな方の比率がかなり高い(←今回の女流棋士独立問題で、米長さんはじめ日本将棋連盟の対応を見ていれば一目瞭然ですな)印象がありますが、
羽生さんを見ていると、
何の分野でもトップクラスはやはり違うものだと感じますね。
ちなみに、フリードマン以外にもう1冊推薦していたのはコチラ。
将棋の真理を解き明かすトップ棋士の孤高な姿が重なるのでしょうか・・・
『放浪の天才数学者エルデシュ』(ポール・ホフマン著)
(2)森内俊之 名人現在、名人位を保持しているのは森内俊之さん。一般にはあまり名が通っていないかもしれませんが、
幼少時代から羽生さんとライバルストーリーを紡いできた、誰もが認めるトップ棋士のひとりです。
曰く「
月に買う本は10~20冊、週に1回は書店をのぞきに行く」のだそうで。
「結局読まないで積んである本も多い」というエピソードに、将棋のレベルは大差でも、勝手に親近感を覚えるワタクシ(汗)。
そんな森内さんのお勧めはこちら。
『マネー・ボール』(マイケル・ルイス著)
メジャーの金欠球団が、どのように選手を集め好成績を収めるに至ったかのルポもの(←すみません、未読なので記事任せです;汗)とのこと。
マイケル・ルイスといえば、スパルタ読書塾で以前取り上げた『ライアーズ・ポーカー』がとても面白く印象に残っています。
【参考記事】
第4回スパルタ読書塾「お金とは?」@『ライアーズ・ポーカー』森内さんは「数字や統計、人間の心理などに関心がある」そうです。
ややマニアックな話で恐縮なのですが、森内さんは対局での作戦選択が恐ろしく戦略的なことで有名なのです。
つまり、
相手がどの戦法に精通しているか/勝率が高いか、また棋界全体での戦法の流行などをふまえて、作戦をチョイスすると。
(⇒それがまたことごとく的中することでも有名)
『マネー・ボール』では、アスレチックスのマネジャーが
独自の選手評価手法を編み出して、それまでの常識をくつがえす成果を出す話が紹介されているそうなのですが、そのあたり森内さんの
志向とも合致した読書なのかな、なんて思いました。
もうひとつ勧めている本はこちら。
『行動経済学』(友野典男著)
副題が、<経済は「感情」で動いている>なのだそうで。
まさに森内名人好みかと。
実際の人間は経済的行動を感情的理由からどう選択するかを論じた本とのことで、『ヤバい経済学』と相通ずるものあり?
【参考記事】
『ヤバい経済学』@すべては人の心次第(3)渡辺竜王なんと中学生で奨励会を勝ち抜いてプロ棋士になった史上4人目の男。
23歳にして、将棋界で最も賞金の高い棋戦「竜王戦」のタイトルをつかんだ渡辺竜王。
彼はブログを運営されていまして、数万ヒット/日という大人気サイトです。
将棋の解説だけでなく、日々の風景や競馬分析など硬軟おりまぜての記事が実に面白く、私も欠かさず読んでいます。
「渡辺明ブログ」↑この影響で、若手プロ棋士がこぞってブログを始めたのだそうで。。。
そんな彼の愛読書は・・・
『週刊Gallop』なんだそうで。
(ネットでの読書量は豊富、とかフォローはついてましたが)ま、これも一局ですね。
将棋プロ棋士の読む本。
意外な部分もありつつ、なんだか納得する感じもあり、面白かったです。
本棚を見ればその人がわかるといいますが、まさにその面白さを再認識した次第でした。
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