Financeをreviewしていて、ふと思い出した興味深いやりとりについて記します。
Financeは世界中どこのB-schoolでも必修の科目ですが、Emoryでは1回生秋学期にCore classとして全員が受講します。世界中のMBA学生の多くが読んだであろう定番教科書をベースに、教授お手製のclassnoteで勉強しました。

【↑新品ハードカバーは20,000円以上します。内容は一緒なので、こっちを購入する方が賢いかと。】
B-schoolで初めて迎える授業の教科書ということで恐る恐る勉強を始めたのですが、読み進めてみると、
あちこちにジョークも交えた読みやすいテキストで、さすが定番モノと感心したものです。
僕自身のBackgroundはFinanceに直結はしていなかったので決して楽ではありませんでしたが、その分学びも多く、まずまず満足いくクラスでした。
ところが、この
Finance のcore class、秋学期のなかで最も学生からクレームがたくさんついた授業のひとつとなったのです。Why?

クレームはいくつかあったそうですが、僕が聞いた中でなんとも印象的だったのは2つ。
1)授業が難しすぎる/扱う範囲が広すぎる
2)テストの出題傾向が予告と違う1)ですが、今年は担当教授が変わりました。で、どうやら昨年のcore classはものすごく範囲が狭かったようなのですね。昨年の話を聞いたアメリカ人学生を中心に「
なぜ今年はこんなに大変なんだ?」

と結構な数の文句があったとか。(
注:上述したとおり、今年のクラスは楽ではありませんでしたが、non-native かつnon-finance guyの僕でもそれなりについていける内容でした)
2)については、いわゆる「テストにはこの問題集から中心に出るぞ」的な事前予告と、実際の出題がやや傾向が違ったじゃないか

というクレームだったとか。
んー、院生にもなって文句つけるような話かな?というのが第一感でした。
が、理由を聞いてちょっとだけ納得。
投資銀行をはじめとする
Finance系のキャリアを目指す際に、B-schoolでのFinanceのgradeがチェックされるのが気になるんですって。
授業で扱う範囲やテスト出題傾向が違うと、効率よく好成績を取りにくいじゃないかと。
・・・気持ちはわからないではありません。この厳しい就職状況(特に投資銀行など)を考えると、ちょっとしたことでも好印象を先方に与えたいでしょう。
しかしまあ
、「だから時間をかけて勉強しよう」ではなく「だから情報を集めて効率よく片付けよう」とする人が多く、またそれを堂々とクレームするのがいかにもアメリカだなあと思わされました。
善悪はさておき、
本音を伝えて事をなんとかうまく運ぼうとする図太さは、見習う部分があるのかもしれません。少なくとも、グローバルに活躍していくためには受容できないとね。念のため、誤解なきよう記しておきますが、優秀なFinance Guyはクラスメイトにたくさんいます。議論していると、彼らの鋭いセンスと情報処理能力にはしばしば感心させられます。
それにしても、もうちょっと真面目に勉強すりゃ済む話なのに、と思ったのは、僕が日本人だからでしょうか。※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!テキストは日本語翻訳版もあるのですが、渡米前にさーっと目を通したときに妙に構成やところどころの説明文に違和感があったのを覚えています。Amazon書評でも似た声が複数あるので、たぶん翻訳の問題でしょう。
英語がどうしても嫌という方以外は、オリジナルのほうがたぶんわかりやすい(かつ安い!←日本語版は上下2冊構成)のでお勧めです。