背筋を伸ばして読み返してしまった一冊でした。
本ブログではお馴染みの
土井英司さんがメルマガで「久々の当たり」と評されていたのは伊達じゃありませんでしたよ。
『外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか』
外資系企業トップ12人へのキャリア・仕事観などに関するインタビュー集です。
ISSコンサルティングという人材バンク編集ではありますが、
『プロ論。』
の執筆でも知られる上坂徹さんが関わっていることもあるのでしょうか、非常に
イキイキとした語り口が伝わってくる出来栄えといえる仕上がりと思います。
12人それぞれのキャリア観は、当然それぞれ異なりますが、
幹となるメッセージは共通していました。
自分の普段の思考や行動と比べてみて、何を改革すべきか、何から実行できるか、という気持ちで主体的に読むとものすごい価値を産みそうな一冊です。
(1)リーダーシップ
柴田励司さん(マーサー)のメッセージに尽きると思います。
・リーダーの資質=リーダーのポジションにいることをカンファタブルと思えるかどうか(
そもそも人に喜ばれるために何かをする、人のために奉仕をするのがリーダー)
・最初は、自分が率先垂範して自分の分身になるような仲間をつくっていくのが心地よかった。でも、この求心力型のスタイルでは規模に限界がある。そこで
違う専門性を持ったプロにいかに気持ち良く働いてもらえるか、という遠心力型へとがらっと変えてみたら、これがうまくいって、また心地よかった。
(2)仕事観
山中信義さん(日本エマソン)の言葉は痛かった。
最近自分を甘やかしてはいないか?環境に甘えてはいないか?
・人間の能力の差なんて、実は大したことないんです。・・・何が重要かといえば、目的を定め、徹底的に情熱を傾け、最善の努力をすることができるかどうか。全力を出し切れるかどうかなんです。
だからこそ、自分の力を100%以上発揮することが求められる環境が大切になるんです。
(3)戦略思考
新宅正明さん(日本オラクル)のコメントは当然のこと。けれど実行できる人はきっとわずか。
これを現実のマインドセットに落とし込める人が勝てる、に違いない。
・もちろん過去に学ぶことはある。でも、仕組みとして過去を踏襲したら、だいたい失敗やね。
むしろ過去の仕組みをどれだけ切れるかのほうが大事。新しい課題に対してきちっとプリンシプルを持って、質のいい判断をする、判断が間違ったらすぐに戻る。
踏襲すべきなのは、変化には対応せないかん、ということだけ。
(4)グローバル化
外資系企業トップのインタビュー集なので、どの章でもグローバル化について語られていますが、端的に語ってくださっているということで、再び山中信義さん(日本エマソン)の言葉より。
・グローバル・スタンダードの3要素:
1)オプティミズム、2)リアリスト、3)寛容性⇒この3つをうまくコンビネーションとして持つのが、グローバルの世界で仕事ができる人間
・今後は日本もますますグローバル化していく。そのなかで活躍できる人間は、答えを一つしか求めない人間ではない。
答えをマルチプルに求める人間、認める人間だと思う。恐れることなんてない。どんどん自分の意見を言ったらいいんです。
たしかに、これは「当たり」本。
反省と元気を与えてくれる一冊として、手元に置いておきたいと思います。(僕はもう2回読み返しましたよ)
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↑(特に企業に勤める)ビジネスパーソンには今日の一冊が絶対よいと思います。
↓もう少し広く「プロとは?」という話ならば、本文中にも出てきましたが、こちらもお勧めです。軽い本かなあと思っていたのですが、なかなかどうして。
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