実は、大学4年間将棋部で活動していまして、いちおう段持ちの腕前だったりします。大学時代は団体戦で関西代表として全国大会に参加して3位に入賞した実績もあります。現在でも僕の大切な趣味のひとつでして、少なからぬ思い入れがあります。
あまり将棋に関心はなくても、羽生善治さんの名前はご存知の方が多いのではないでしょうか。名実ともに実力No.1の将棋棋士であり現在四冠王。数年前、主要棋戦のタイトルを総なめにして七冠王となったときには、テレビにも大きく取り上げられた記憶はまだ新しいところです。元女優の畠田利恵さんを妻に持ち、公文式のCMに出演経験があるといえば顔が浮かんできるのではないでしょうか。
その羽生さんは将棋の技術書で名著をたくさん記しています。『羽生の頭脳』シリーズは、主要戦法別に
「結論を先に述べる」という、このジャンルにおいては革新的な手法が評判を呼び、このジャンルとしては大ヒットしまして、当時はアマプロ問わず誰もが購入して競って勉強したものです。(僕も全巻買いました)さすがに情報としては少し古くはなりましたが、いま読んでも学びは十分ある名著です。
さて、その羽生さんは将棋以外のジャンルでも著書や対談集を出しています。どれも紹介したいのですが、ビジネス書としてロングセラーを記録している最新刊『決断力』を最近読んで、ちょっと元気をもらいましたのでご紹介したいと思います。
新書サイズでさくっと読めますが、Tipsは満載ですよ。
将棋の世界にとどまらず、日々の仕事や生活においても活きる重みのある示唆が詰まっていますが、特に印象に残った話を1つご紹介します。
ビジネスの世界と同様、将棋の世界でも研究成果のデータベース化が進む傾向にあり、
昔は「新手一生」(=新しい手法を発明すると一生勝ち続けることができた)だったものが、現在では「新手一局」(=新しい手法を発明しても一局勝つのが精一杯)、即ちどんな新アイディアもたちまち古くなる状況です。
そんな中で、如何に創造力を発揮し続け、最前線で活躍を続けることが出来るのか? そのヒントの1つとして「
対局相手にアイディアを引き出してもらう」ことを羽生さんは挙げています。
即ち、対局前に「こうなるのではないか?」と色々と考え尽くしたつもりになっていても、いざ対局してみると、予想外のことが必ず起きます。そんな慣れていない状況になると失敗する確率も当然高まりますが、
未知の事態に踏み込むのを恐れるのでなく、相手との対話を通じて打開する楽しみを持つことで新たな知の発見とともに心身にエネルギーを得てこそ、最前線で活躍を続けることができると。
「(目の前の局面を恐れ)現在のリスクを回避することは、未来のリスクを高めることになる」という羽生さんの言葉がとても印象に残っています。自らは体を動かさずに人任せで利を得ようとする者は勝ち続けることは決してできないのですね。
それにしても、将棋一本でやってきて、ビジネスの世界には縁のない羽生さんがこれだけの学びを与えてくれるのを見ると、
やはりひとつの道を究めた人は全てに通ずる真理を体得されているのだなあと、しみじみ感じてしまいます。僕ももっと頑張るぞー!ドリンク剤よりこの一冊ですね。
【今日の学び】
未知の事態をむやみに恐れるな。対話を楽しみながら現状を打破することで未来への道は開ける。※人気ブログランキングです。少しでも学びがあればクリックいただけると、とても嬉しいです。よろしくお願いします!
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はじめまして TBありがとうございます。
こちらからもさせていただきました
(不慣れなので、もし重複してたら、すみません)
わたしは将棋のことはわからないのですが、それでもこの本おもしろかったです。
こんなに手の内明かして大丈夫なのだろうか。と
しかし、この羽生氏は明かせば明かすほどに強くなる人なのかもしれないと
想像すればするほどに、自らのあり方なんかを考えたりもして
読んでいて楽しかったです