前回に引き続き、正月休みに読んで非常に感銘を受けた本を紹介したいと思います。当初表題から受けた印象と実際の読後感に良い意味で大きなギャップがあり、嬉しい誤算の一冊でした。
ジャック・ウェルチ『ウィニング~勝利の経営』
ジャック・ウェルチは改めて紹介するまでもないでしょう。GEを時価総額世界一の企業に育て上げ、しばしば
「20世紀最高の経営者」と称される前GE会長兼CEOですね。そんなウェルチがビジネスで成功するためのノウハウを解説しています。
といっても、崇高な経営理念やシックスシグマについてではなく、驚くほど具体的なトピックが取り上げられています。なんでも彼が本書を書くきっかけは「世界各地の講演会で寄せられた数千にのぼる質問」だったそうで、それだけに人々の関心ある事項についてウェルチの素直な考えが述べられています。
例えば、誰もが関心ある“ウェルチの語る経営戦略のあるべき姿”とは・・・
「戦略なんて限られた資源をどう割り振りするか、それだけのことだ」「勝ちたいのなら、戦略についてじっくり考えるよりその分、体を動かせ」・・・いやはや、なんとも
痛快じゃないですか。MBAの教科書よりも百倍説得力があり、実に核心を突いているように思います。
もうひとつ特徴的なのは、
人について割かれたページ数の多さです。ウェルチは常々、人事部門の責任者は会社で社長の次にくるポジションとすべきと唱えていることに代表されるように、人に関する部分を重視していることで有名な経営者ですが、その考えがあちこちに滲み出ています。
採用・評価に始まり、上司への対処法や天職の探し方に至るまで、実に学びの多いノウハウがたくさん語られています。その中で印象に残ったのはリーダーシップに関する項目です。ウェルチは「リーダーのすること」として8つのルールをあげていますが、特に印象に残ったフレーズをご紹介しておくのが最良のレビューになるような気がします。
「リーダーになる前は、成功とはあなた自身が成長することだった。ところが、
リーダーになった途端、成功とは他人を成長させることになる」
「あなたがリーダーであれば、
すべてのことに質問するのがあなたの仕事だ。オフィスの中で一番バカな人間のように見られても平気でいられるようでなくてはならない」
いろいろ書いてきましたが、本書のエッセンスをひとことでいうならば
「勝つためには何をすればよいのか?」に尽きると思います。そのウェルチ流のノウハウが(実にざっくばらんに)語られたおすすめの一冊です。特に会社勤めをされている方、経営者を目指す方は必読と思いますね。
最後に、ウェルチからの励ましのひとことを(これまた痛快!)。
「そう、楽しまなくちゃ。ビジネスはゲームだ。そのゲームに勝つこと、これに勝る快感はない。」【今日の学び】
ビジネスではすべての思考は「勝つためには何をすべきか」に軸足を置くべし。そしてそれらは「人」に拠ることがほとんどであることを認識せよ。※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!ジャック・ウェルチ『ウィニング~勝利の経営』
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