プロダクトを人に伝えるには広告を通じてメッセージが発信されることが多いゆえでしょうか。広告をネタにしてはいますが、
企業経営者をはじめとするビジネスパーソン全般に通じるTips満載の一冊にめぐり合いましたね!
『ある広告人の告白』(デイヴィッド・オグルヴィ著)
土井英司さんにセミナーで「え~っ!まだ読んでないんですかっ??」と言われまして【→記事は
こちらです】、取るものもとりあえずアマゾンのカートに放り込みました(汗)。・・・ちなみに言わずと知れた
次回BBM大賞筆頭候補ですね。
1964年に原作が発刊されて以来、世界14カ国で翻訳されたベストセラーの復刊とのこと。確かに、これは広告業界に限定させておくには惜しい感じがしました。
特に印象に残ったのは「
アイデンティティ(以下、ID)を育んだ企業こそが優位に立つ」です。成功した企業に共通するのは、計画的に企業文化を築いているという点だという話を引いていますが、実に説得力がありますね。
企業経営全般にも通じますが、個人についても同じことがいえると思います。
最近僕が持っている仮説のひとつに「
人生の豊かさは、その人が独自の顔=アイデンティティをいくつ持っているかに比例する」というのがあります。身の回りを振り返ると、「株式会社●●の△△部長」以外のIDを持っていない人が何と多いことか!
IDは「居場所」と言い換えることもできると思います。例えば家庭における「厳格な親父」とか「スウィートなダーリン」といったIDでもいいでしょうし、趣味の世界で「将棋の鬼~四間飛車の使い手」とか「B'zの曲は全部解説付きで歌えます」とかでもいいと思うのです。最近では週末起業家あるいはメルマガ作家の顔を持つ方も増えていますよね。
僕もこのブログをきっかけにセミナーやコミュニティへの出没を通じて
別のIDを持つことで、明らかに人生の豊かさが増してきました。
本書で取り上げられている話も単に「広告」というよりも、企業のIDを醸成するための取り組み・テクニックというふうに読むと、味わいが増して読めること請け合いです
。『ヤバい経済学』同様、読み方によって評価が分かれてくる一冊かもしれませんね。
もちろん表題にあるような「へえ~」と思わせるテクニック的なお話も満載ですよ。以下は特に印象に残ったフレーズなど。
・
売り上げは商品価値と広告の機能によって生まれる。販促には、販売曲線を一時的によじれさせる以上のことはできない
・(広告とは芸術だと考える)輩は、これまでにただの一度も自分で何かを売ったことなどありはしない
・「しゃべりはクライアント候補に任せる」ことだ。聞き役にまわればまわるほど、“敵”にはあなたが賢く見える
・よい広告とは「広告自体に関心を集めることなく」商品を売る広告である。・・
・プロの義務として、広告人は自分の技巧をひけらかしてはいけない・消費者はバカではない。消費者はあなたの奥さんである。つまらないスローガンと気の抜けた形容詞の二つ三つも与えれば奥さんが何か買うと思うなら、彼女の知性に対する侮辱だ。彼女はあなたが与えられるすべての情報をほしがっているのだ
【今日の学び】
アイデンティティを育むことが優位に立つ秘訣。引き出しが増えると物の見方も多面的になり、学びも一層豊かになる。※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!『ある広告人の告白』(デイヴィッド・オグルヴィ著)
同じく、広告をネタに社会にまで言及している一冊としてこの本を紹介しておきましょうか。
ベネトンのカメラマン、トスカーニによる著作ですが「広告がアートだったり、社会への主張・問題提起の場であってはいけないのか!?」という、ある種対照的な主張が展開されています。
『広告は私たちに微笑みかける死体』(オリビエーロ・トスカーニ著)
ブランドマーケティングを担当していた以前の会社の同僚が勧めてくれた一冊です。
読み比べてみるのもなかなかオツなものですよ。ぜひどうぞ。
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遅ればせながら、TBありがとうございます。ある広告人の告白も読んでみたいと思います。