近代資本主義はプロテスタンティズムの禁欲主義から生まれたって?
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ヴェーバー著)・・・この古典がアマゾンで未だ2,000位キープとは(驚)。
週末の小旅行、行き帰りの電車で見慣れない風景に囲まれての2時間。ということで、いつもと少し気分を変えて、学生時代に読んだ古典を久しぶりに引っ張り出してみました。
社会学や現代思想を学ぶ者にとっては基本中の基本文献。マックス・ヴェーバーの最も著名な比較宗教学研究論文です。
資本主義の精神と禁欲的プロテスタンティズムの歴史的関係が本書のメイン・テーマ。さすがは岩波文庫白版!これでもかの脚注の量に圧倒されますが、最初の30ページをクリアすると、思いのほかすっと読み進むことができるものです。
学問研究の題材にするには骨の折れる大作ですが、
いちビジネスパーソンとして読むと「へーっ!」と思わずうなずいてしまうくだりがたくさんあることにびっくり。
大きな読みどころのひとつと感じたのは、「天職」をめぐる考察です。
プロテスタンティズムが広く行き渡っている民族は必ず「天職」という概念を持っている。それは民族的特性ではなく聖書の翻訳に由来しており、それも原文の精神ではなく翻訳者の精神に由来しているのだと!
そんな
翻訳者の思惑により、世俗的日常労働に宗教的意義を付したこの動きは、まさに近代ヨーロッパが資本主義経済に目覚めていく、マインドセット醸成の一端を担っていたというのです・・・
近年、ホリエモン報道に代表される、資本主義の悪しき面をデフォルメしたとらえ方が時々なされます。しかし考えてみると、「●●主義」
とはそもそも人の考えや動きがまずあって、それらを総称したもののはず。
社会・経済を分析するためには、人のココロや価値観をベースに考えなければいけない。ともすれば忘れがちになる、そんなモノの見方を再認識させてくれるという意味でも、非常に興味深い一冊です。
※人気ブログランキングです。少しでも学びがありましたら、ぜひココをクリックしてやっていただけると大変嬉しいです。よろしくお願いします!ときには学生気分になって、古典に挑戦してみるのもいいもんですね。なんだか快感でした。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ヴェーバー著)「社会・経済を分析するためには、人のココロや価値観をベースに考えなければいけない」という学びは、今年売れた『ヤバい経済学』なんかとも相通ずるものがありますねっ!【→本ブログでのご紹介記事は
こちら。】
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プロテスタンティズムは怖いですなぁ。
いやいや1神教の怖さでしょうか。
とにかくアメリカ国民のエネルギーは凄い。
富の蓄積に向かう力、他国を支配しようとする力。
日本はエトスがない。
でもないほうがよいのかも。